HOMEMAKERSの生姜づくり
HOMEMAKERSでは年間通していろんな種類の野菜を育てていますが、そんな野菜の中でも時間と手間をかけて育てているのが生姜です。
HOMEMAKERSでは生姜はどうやって育てているのか。
種植えから収穫までの流れをみていきましょう。
露地(ビニールハウスなどの施設を使わず、屋外の畑で栽培する方法)で生姜を栽培する場合、霜が降りなくなった4月頃に種生姜を植えます。
種生姜というのは、前年に収穫して保管しておいた生姜。
普通に食べることもできる生姜です。
4月上旬、種生姜の植え付け。
150〜200グラムにカットした種生姜をひとつずつ土の中に植えていきます。
土の中がいい環境になるように、落ち葉と米ぬかなどを土の上に。
地上に最初の茎が出てくるのは6月頃。
土の中では親生姜が分けつして新しい生姜が増えていき、新しい生姜からそれぞれ茎が伸びていきます。
1本目の茎が1次茎、続いて2次茎、3次茎……と、ひとつの親生姜から何本かの茎が出てきます。
最初の茎を発見!
生姜と同じように、そのほかの草もぐんぐん育ちます。栽培中は何度か除草作業も必要。
8月頃にはそれぞれの茎が1メートルくらいまで伸び、葉を茂らせます。
土の中では新しい生姜が育ち、大きく育った新しい生姜がときどき土の外に出てきてしまうので、土をかぶせてあげます。
土の中で生姜はじっくりじっくり育っていきます。
栽培中は何度か生姜に土をかぶせる作業をします。
9〜10月、ようやく生姜の収穫を始めます。 この時期のまだ若い生姜は、肌が白くてほんとにきれいなんです。
繊維も少なくてみずみずしい。
カットするとフレッシュな香り。
青りんごみたいな香りがします。
そして生姜の塊と緑の茎との間のピンク色がなんともかわいらしい。
これが「新生姜」。
この夏の終わり頃に収穫した、掘ったばかりのピチピチの生姜が新生姜と呼ばれます。
9月試し掘り。
まだまだ大きくなりますが、若い時期限定の、白肌でみずみずしい状態の新生姜を楽しむために少しずつ収穫。
収穫後、土を落とした新生姜。ほんとにきれいな肌。ピンク色も鮮やか。
ちなみにスーパーで初夏に並ぶ新生姜は、ビニールハウスなど温度調整された環境で栽培されたもの。
露地栽培より早いタイミングで種生姜を植えるので、収穫も早く、初夏には新生姜として出荷されます。
自然の気候の中で育つ新生姜の旬の時期は、実は秋なんですよね。
新生姜はとてもみずみずしくて繊維が少ないので、薬味や料理に使うというより、生姜自体を食べることを楽しめます。
新生姜のかき揚げ、新生姜と豚肉の炒めもの、新生姜ご飯などなど、新生姜をたっぷり使ってみてください。
甘酢漬けや紅生姜にして冷蔵庫で保管しておくのもいいですね。
紅生姜や生姜の甘酢漬けは意外と簡単につくれます。
さて話は畑に戻って、10月以降も生姜は大きく育っていきます。
ただし11月中旬頃の霜が降りるまで。
生姜は寒さに弱いので、霜が降りてしまうと一気に傷んでしまいます。
その時期まで大きく育てて収穫します。
その頃には生姜の肌は白色から少し茶色に。
あのかわいらしかったピンク色も薄くなっていきます。
しっかり茂った生姜の葉。光合成してどんどん成長していきます。
ひとつの種生姜からこんなにたくさん生姜ができることも!
収穫した生姜を土つきの状態で最適な条件で保管することで、表皮の色がより濃くなり、繊維が増え、辛味成分が増します。
一定期間保管後に出荷されたものが、スーパーなどで販売されている一般的な「生姜」です。
新生姜と区別するために「ひね生姜」とか「囲い生姜」とか呼んだりします。
「ひね」は古いという意味なのですが、なんで「囲い」というのかは、ちょっと調べてみたのですが、わかりませんでした。諸説あるみたいです。
生姜の収穫は秋ですが、こうして保管しておくことで一年中生姜を食べることができます。
そしてこの生姜が、また翌年の種生姜になるというわけです。
そうそう、実は種として植えられた生姜も併せて収穫するのですが、乾燥していて繊維が多く、辛みが強くなってます。
これが「親生姜」と呼ばれます。
この親生姜を何かに使えないかなぁといろいろ考えてます。
食べることもできるのですが、乾燥させて入浴剤にしたりとか、何か活用できたらいいなぁと思っています。
まとめてみると
新生姜
9月頃に収穫した掘りたてのみずみずしい生姜。
やさしい辛味で繊維も少ないので、薬味としてというより、生姜自体を食べることを楽しめます。
生姜の甘酢漬けや紅生姜にも。
囲い生姜(ひね生姜)
11月頃に収穫し貯蔵しておいたもの。次の年の生姜ができるまで通年出荷されます。
スーパーなどで一般的に販売されている生姜。
種生姜
4月頃に植える、種となる生姜。前年秋に収穫し保管しておいたもの。
親生姜
種生姜として栽培に使われたあと、収穫したもの。繊維質が多く辛味が強い。
知っているようで知らない野菜のこと、まだまだたくさんあります。
自分が思っていたのと旬の時期が違っていたり、 ひと言で「生姜」といっても種類もいろいろあるし、 時期によって状態も大きく違います。
知らないままでも困ることはないかもしれません。
でも知ってると、もっと料理の幅が広がって、もっとおいしく食べられるかも!
そんな楽しみのために、まだまだ野菜や食材のことを知りたいなと思います。
オンラインストアで「新生姜」販売中
新生姜
三村 ひかり
HOMEMAKERSの嫁の方です。野菜の出荷、販売を主に担当。いつもカメラを持ち歩き、離島、農村、野菜の魅力を伝えるべく撮ってます。