映画『食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命~』アンバサダーに就任しました

映画『食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命~』アンバサダーに就任しました

2023年10月、徳島県の神山町で『Farmer’s Meeting』というイベントが開催されました。

“オーガニック料理の母”と称される料理人であり、カリフォルニア州・バークレーにあるレストラン〈シェ・パニース〉のオーナーであるアリス・ウォータースさんの来日のタイミングにあわせて開催されたもので、イベント主催者であるRichSoil & Co.とFood Hub Project とつながりのある農家や料理人たちが集まりました。

わたしたちも農家として参加させていただき、開催場所である神山町にある農園の見学から始まり、
テーマを設けてミーティングセッション、夜は焚き火を囲みながら、アリス・ウォータースさん、ジェローム・ワーグさん、野村友里さんのクロストークなど、本当に盛りだくさんな内容の1日でした。


農業をはじめて11年目となった当時の私は、農家であることの誇りみたいなものを少し失いかけていて、経理や事務作業などで畑にほとんど出られていないし、農家と名乗っていいのかと考えることもしばしば。
年間通してたくさんの種類の野菜を育てている自分たちの農業スタイルに疑問を感じ、効率悪いし、大変だし、減らしたほうがいいのかなぁと考えてしまったり。
結論がでないまま、そんな思考が堂々巡りしていました。

そこに行けば、何か答えが見つかるかなと思いながら神山へ。
農家や料理人たちと1日ともに過ごすなかで、経営のこと、栽培のこと、農家と料理人の理想的な関係のこと、いろいろなことを話しました。
週に何日出荷しているか?
出荷作業は何人でしているか?
なんて具体的なことから、ぶっちゃけ農業って儲かるのか? といった話まで。
共感できることが多く、話すだけですごく励まされました。

みんなそれぞれ考えながら、自分たちのスタイルの農業をしている。
自分たちが育てたい野菜を育てている。
そうなんだ! 答えなんてなくて、答えがあったとしてもそれを真似して同じことをしてもきっとうまくいかなくて、自分たちで考えて試行錯誤して、農家としてのかたちをつくっていくんだなと、心からそう思えました。

そしてその夜、アリスさんと話す機会があり、今日話さなかったら絶対に後悔すると話しかけに行き、今の気持ちを伝えたら、とてもあたたかく話してくれました。

「ファーマーズ・ファースト」

生産者が一番大事、農家ってすばらしいのよと伝えてくれて、ほんとうにうれしかった。
ぶれていた心が、ぐっと固まったのを覚えています。

イベントの翌日、神山を早朝に出発して、朝一番のフェリーに乗って小豆島に戻りました。
その日も朝から畑に出て、野菜を収穫し出荷作業。
野菜たちが愛おしい。

小豆島だからこそできる農業を。
そしてそれは自分たちが働いていて気持ちいいと思えるかたち。

たくさんの種類の野菜を育てていくことは、たしかに効率は悪いけど、でもたくさんの喜びがある。
だからそこは変えない。

一気にたくさん採れすぎてしまった野菜を残さず生かしたい。
畑で使うビニールマルチシートを極力減らして、経費もゴミも減らしたい。
間引いた小さいサイズだからって価格をさげないようにしたい。
忙しい時期はもっとたくさんの人とともに働きたい。
ともに働く仲間が幸せであってほしい。

やりたいことはまだまだたくさんある。
そのひとつひとつを実現していく。
実現する方法を考えて考えて、試して、積み重ねていく。
そうしてかたちができあがっていく。

農家であることの誇りをいつも忘れずに。

食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命~

私たちがあの日アリスさんに出会って得たものはとてつもなく大きいです。
その日の夜のことも含めた、アリスさんが日本を巡ったときの様子が 食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命~ という素晴らしいドキュメンタリー映画としてまとめられ、現在全国各地で上映されています。

そしてなんと、HOMEMAKERSの三村拓洋とひかりは、映画のアンバサダーに就任させていただきました。
みなさんに私たちがあの日アリスさんに会って感じたことや今の農業のことをお伝えできればと思っています。

食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命~
上映情報はこちらです。
ぜひご覧ください。

三村 ひかり

三村 ひかり

HOMEMAKERSの嫁の方です。野菜の出荷、販売を主に担当。いつもカメラを持ち歩き、離島、農村、野菜の魅力を伝えるべく撮ってます。